
こんにちは、いなかつです。前回では「コピーライティングの本質は読まれる提案を考えること」と「考える8割、表現2割」について説明しました。
今回はその具体例として、視点の転換がいかに強力かを示す有名なストーリーを深掘りします。
「売れるはずがない」と思い込んでいませんか?
「うちの商品は特殊だから…」 「この業界では価格勝負になるから…」 「競合が強すぎて勝てないから…」
あなたもこんな思い込みで、諦めていることはありませんか?
実は、「売れない」と思い込んでいるものこそ、視点を少し変えるだけで大きく売り上げを伸ばせる可能性を秘めています。
エスキモーと冷蔵庫:不可能を可能にした逆転の発想

ビジネスの世界で語り継がれる有名な話があります。
「いかにしてエスキモーに冷蔵庫を売ったか」
まず基本情報から。エスキモーが住む北極圏は年間を通して極寒の地です。氷点下の気温が当たり前で、家の外に食べ物を置いておくだけで簡単に冷凍保存できます。
こんな環境で冷蔵庫を売るなんて、常識的に考えれば「絶対に無理」です。だって、すでに自然の冷蔵庫に囲まれているようなものですから。
これまでの「常識」を疑う
冷蔵庫といえば何のための道具でしょうか?
多くの人は「食べ物を冷やして保存するための箱」だと答えるでしょう。これが一般的な認識です。
もしあなたがこの認識のまま極寒の地で冷蔵庫を売ろうとしたら、こんな会話になるでしょう。
営業マン: 「この冷蔵庫はいかがですか?食べ物を冷やして保存できますよ」
エスキモー: 「いらないよ。外に置いておけばタダで冷えるし、むしろ凍っちゃうくらいだから」
ここで多くの人は諦めてしまいます。でも、発想を転換した営業マンは違いました。
視点の転換(価値の再定義)

この営業マンは冷蔵庫の本質を再定義しました。
「冷蔵庫とは、食べ物を冷やす箱ではなく、食べ物を適温で保つための箱である」
極寒の地では、食材があまりにも凍りすぎてしまうという問題があります。カチカチに凍った肉は調理前に解凍が必要ですし、野菜は凍ると食感や栄養が損なわれます。
この視点から、彼は全く新しい提案をしました。
営業マン: 「この冷蔵庫は、食材を凍らせすぎず、ちょうどいい温度で保存するための箱です。凍った肉を解凍する手間が省け、野菜も新鮮なままで保存できますよ」
エスキモー: 「なるほど!確かに食材がカチカチに凍っていると調理が大変だし、解凍したものをまた冷凍すると品質が落ちるんだよね…」
見事に視点を変えることで、「絶対に売れるはずがない商品」が「便利で価値のある商品」に変わったのです。
視点転換の威力:あなたのビジネスに当てはめるには
エスキモーと冷蔵庫の話は極端な例かもしれませんが、この原理はあらゆるビジネスに応用できます。
- 既存の商品の「当たり前の定義」を疑ってみる
例:美容サロンは「キレイになるところ」というより「自信を取り戻すところ」かもしれない - 商品の特徴ではなく、顧客が得られる結果に焦点を当てる
例:ダイエット食品は「カロリーが低い食品」ではなく「好きな服が着られるようになる食品」 - 一般的なターゲット以外の人にとっての価値を考える
例:高級腕時計は「時間を知るための道具」ではなく「成功を周囲に示すためのシンボル」

あなたの商品やサービスの視点を変えてみよう
今すぐ試してみましょう。あなたの商品やサービスについて。
- 現在の定義や説明は何ですか?
- その定義を180度変えるとしたら、どんな表現になりますか?
- その新しい定義は、どんな人にとって価値があるでしょうか?
たとえば:
- 「高性能な会計ソフト」→「経理の悩みから解放されるための魔法の杖」
- 「新鮮な有機野菜の宅配」→「家族の健康を守る時間節約システム」
- 「オンライン英会話レッスン」→「海外旅行で恥をかかないための保険」
まとめ:視点を変えて売れないを売れるに
今回のポイント:
- 「売れない」と思い込んでいる商品こそ、視点転換のチャンスがある
- 商品の「当たり前の定義」を疑うことが視点転換の第一歩
- 「機能や特徴」よりも「顧客が得られる結果」に焦点を当てる
- エスキモーに冷蔵庫を売った例のように、発想の転換で不可能を可能にできる
- あなたの商品やサービスの定義を変えるだけで、新しい顧客層を開拓できる
視点を変えることの力は計り知れません。「売れない」と思い込んでいた商品が、実は多くの人が求めている宝物かもしれないのです。エスキモーに冷蔵庫を売った営業マンのように、固定観念を捨て、新しい角度から自分の商品やサービスを見つめ直してみましょう。
ではまた。
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