
こんにちは、いなかつです。
今回はターゲットの深層心理を掘り下げる技術について詳しく解説します。
なぜ商品説明だけでは売れないのか
多くの人が犯す最大の間違い。それは「商品の素晴らしさ」だけを延々と語ることです。
「当社の製品は最高品質の素材を使用しています!」 「20年の歴史があります!」 「他社にはない特許技術を搭載!」

こんな説明を見て、あなたは心から「欲しい!」と思いますか?
実は多くの場合、お客さんはあなたの商品に対してほとんど興味を持っていません。驚くべきことに、彼らが本当に興味を持っているのは…自分自身です。
人間の根本的な心理:自分中心主義
心理学の研究によれば、人間は本質的に自分自身に強い関心を持っています。他者や外部の物事より、「自分にとっての意味」を第一に考えるのです。
これはネガティブな意味ではなく、単なる事実です。お客さんは常に「これは私にとってどういう意味があるのか?」というフィルターを通して情報を処理しています。

ターゲットの本当の悩みを深掘りする技術
では、どうすればターゲットの深層心理に届くコピーが書けるのでしょうか?答えは「商品から離れて考える」ことです。
例として、前のレクチャーで登場した高額塗料の例を掘り下げてみましょう。
ステップ1:表面的な悩みを列挙する
まず、塗装会社の社長さんが抱える表面的な悩みを考えます。
- 集客が難しい
- 価格競争に巻き込まれる
- 利益率が低い
ステップ2:「なぜ」を5回繰り返す
次に、それぞれの悩みについて「なぜそれが問題なのか」を5回繰り返し質問します。これは「5つのなぜ」と呼ばれる問題分析手法です。
例えば「集客が難しい」という悩みについて:
- なぜ集客が難しいのか?→ 競合が多く、価格競争になるから
- なぜ価格競争が問題なのか?→ 利益率が下がるから
- なぜ利益率が下がると問題なのか?→ 会社の成長が止まるから
- なぜ会社の成長が止まると問題なのか?→ 将来に不安を感じるから
- なぜ将来に不安だと問題なのか?→ 家族を安心して養えなくなるから
このプロセスを経て、表面的な「集客の悩み」の奥には「家族の安全」という根本的な欲求があることがわかります。

ステップ3:感情的な核心を見つける
最後に、これらの深い悩みの感情的な核心部分を見つけます。塗装会社の社長さんの場合:
- 安心感:家族を養い、事業を安定させたい
- 誇り:価格ではなく品質で評価されたい
- 成功感:業界で一目置かれる存在になりたい
これらが「感情的な核心」です。効果的なコピーは、この感情的な核心に直接訴えかけます。
感情的な核心に訴えかける提案作り
では、この深い理解を元に提案を作り直してみましょう。
変更前: 「この塗料は耐久性25年、セルフクリーニング機能付きで、遮熱性能も高いです。」
変更後: 「値引き競争から抜け出し、本物の技術で評価される塗装会社になりませんか?地域一の塗装会社(年商5億円)が選ぶ塗料で、あなたも3ヶ月先まで予約が埋まる人気店になれます。」
違いがわかりますか?
変更後の提案は、単なる商品の説明ではなく、塗装会社の社長が抱える感情的な核心(安心感、誇り、成功感)に直接訴えかけています。
深層心理を理解するための5つの質問
あなたの商品やサービスのターゲットの深層心理を理解するために、以下の5つの質問を自問自答してみてください:
- ターゲットは夜、何に悩んで眠れなくなるのか?
- 彼らが最も恐れていることは何か?
- 彼らが周囲に自慢したいことは何か?
- 彼らの理想の自己イメージは?
- 彼らが本当に求めている「変化」は何か?
例えば、ダイエット商品のターゲットの場合:
- 「このままでは健康を害するかもしれない」という不安
- 周囲から「太った」と思われること
- 体型の変化を周囲に気づかれ、褒められること
- 健康的でアクティブな自分
- 単なる体重減少ではなく、自信を取り戻すこと
これらの答えがわかれば、商品の機能(「1日30カロリーカット」)ではなく、感情的な核心(「自信を取り戻す」)に訴えかけるコピーが書けます。
実践演習:あなたの商品で試してみよう
それでは、あなた自身の商品やサービスについて考えてみましょう。以下の手順で、ターゲットの深層心理を掘り下げてください:
- あなたの商品・サービスのメインターゲットを具体的に定義する
- そのターゲットが抱える表面的な悩みや欲求を3つ挙げる
- それぞれに「5つのなぜ」を適用して深掘りする
- 感情的な核心を特定する
- その感情的な核心に訴えかける新しい提案を作る
成功事例:感情に訴えかけて売上3倍
ある不動産投資セミナー会社の例を見てみましょう。当初は「年利回り8%の投資物件が見つかる方法を教えます」という機能的な提案でした。
しかし、ターゲットの深層心理を分析したところ、彼らの本当の悩みは「老後の不安」と「家族に迷惑をかけたくない」という感情にあることがわかりました。
提案を「定年後も家族に頼らず、自分らしく生きるための資産形成法」に変更したところ、セミナーの申込率が3倍に上昇したのです。
まとめ:深層心理を理解して売上を倍増させる
- 商品の特徴やメリットだけでは、人の心は動かない
- 人は自分自身に最も関心がある
- 「5つのなぜ」で表面的な悩みから深層心理にアクセスできる
- 感情的な核心(恐れ、願望、自己イメージなど)に訴えかけるコピーが最も効果的
- ターゲットの深層心理を理解するための5つの質問を活用しよう
ではまた。
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