
こんにちは、いなかつです。
前回までは、究極のベネフィットの見つけ方について詳しく学びました。
今回は、高額塗料の事例を深掘りし、専門商品が成功した具体的な法則についてお伝えします。
「売れない」と諦めていた高額塗料の逆転劇

ある塗料メーカーの話から始めましょう。
この会社は高機能な外壁塗装用塗料を販売していましたが、以下の理由で売上に悩んでいました:
- 一般的な塗料より2倍以上高価
- 価格競争の激しい業界
- 専門的すぎて一般の人には伝わりにくい特徴
「こんな高い塗料、誰も買わないよ」
そう諦めかけていたとき、ある発見がすべてを変えました。
偶然の発見が導いた成功の糸口
ある日、営業担当者が顧客訪問中に興味深い事実に気づきました。
年商5億円を誇る地域一番の塗装会社が、この高額塗料をイチオシとして使っていたのです。
しかも、その会社は値引きなしで3ヶ月先まで予約が埋まっているほどの人気店でした。

顧客視点の転換がもたらした驚きの結果
この発見をきっかけに、営業チームは提案の仕方を根本から見直しました。
変更前の提案: 「この塗料は耐久性25年、セルフクリーニング機能付きで、遮熱性能も高いです。」
変更後の提案: 「なぜ、3ヶ月先まで予約が埋まる人気塗装店(年商5億円)になったのか?1円も値引きせずに……。実は、彼らがイチオシで使っているのがこの塗料なんです。」
この変更を実施したところ、わずか2ヶ月で売上が3倍に急増したのです。
なぜこの提案は成功したのか?4つの心理的要因
この成功には、4つの重要な心理的要因が働いています:
1. 社会的証明の力
人は「多くの人が選んでいるもの」や「成功している人が選んでいるもの」を信頼する傾向があります。
年商5億円の成功企業が選んでいるという事実が、強力な社会的証明となりました。
2. 成功への憧れの活用
どの塗装会社も「成功したい」「人気店になりたい」という願望を持っています。この提案は、そんな憧れを刺激しました。
3. 具体的な成功イメージの提示
「3ヶ月先まで予約が埋まる」「年商5億円」という具体的な数字が、明確な成功イメージを提供しました。
4. 結果へのフォーカス
商品の機能(耐久性など)ではなく、その商品を使うことで得られる結果(成功する塗装店になれる)にフォーカスしました。

成功事例から学ぶ実践的な5つのポイント
この事例から学べる実践的なポイントを5つにまとめました:
ポイント1:顧客の本当の欲求を掘り下げる
塗装会社の社長が本当に欲しいのは「耐久性の高い塗料」ではなく、「成功する塗装会社」でした。
常に「なぜそれを欲しいのか?」を掘り下げましょう。
ポイント2:成功例を具体的に示す
「理論的に良い」より「実際に成功している」という事実のほうが説得力があります。
成功事例を具体的に示しましょう。
ポイント3:数字で具体化する
「人気がある」ではなく「3ヶ月先まで予約が埋まる」、「成功している」ではなく「年商5億円」というように、抽象的な表現を具体的な数字に変換しましょう。
ポイント4:理想の未来を描く
顧客が得られる「理想の未来」を具体的に描写しましょう。
「この塗料を使えば、あなたも値引きせずに予約が埋まる人気店になれる」というように。
ポイント5:短い文章で強いインパクトを与える
長い説明より、短く印象的な提案のほうが記憶に残ります。
「なぜ、3ヶ月先まで予約が埋まる人気塗装店になったのか?」というシンプルな問いかけが、強いインパクトを与えています。
他業種に応用した成功事例
この法則は、さまざまな業種に応用できます。実際に成功した事例をいくつか見てみましょう:
事例1:会計ソフトウェア
変更前: 「AIによる自動仕訳機能で、入力の手間を95%削減できます」
変更後: 「なぜ、社員を増やさずに売上を3倍にした会計事務所は、このソフトを使っているのか?」
結果: デモ申込が2.5倍に増加
事例2:フィットネスジム
変更前: 「最新のマシンと専属トレーナーで、効率的に理想のボディに」
変更後: 「なぜ、57歳の普通のサラリーマンが、たった3ヶ月で20代に間違われるボディを手に入れたのか?」
結果: 無料体験の申込が4倍に増加、入会率も30%向上
事例3:英会話スクール
変更前: 「ネイティブ講師とマンツーマンで、効率的に英語が学べます」
変更後: 「なぜ、英語が苦手だった40代営業マンが、6ヶ月後に海外クライアントと直接交渉できるようになったのか?」
結果: 資料請求数が3倍に、入学率が50%向上
あなたの商品に応用するステップバイステップガイド
では、あなた自身の商品やサービスにこの法則を応用するためのステップバイステップガイドを紹介します:
ステップ1:成功している顧客を見つける
あなたの商品やサービスを使って、実際に成功している顧客を探します。小さな成功でも構いません。
ステップ2:具体的な成功内容を数値化する
その顧客がどのように成功したのかを、できるだけ具体的な数字で表現します。
例:「売上○○%アップ」「作業時間を○○分短縮」「○ヶ月で○○kgの減量に成功」
ステップ3:なぜ質問を作る
「なぜ、○○(具体的な成功)ができたのか?」という形で質問を作ります。
例:「なぜ、副業から月収100万円を稼げるようになったのか?」
ステップ4:商品との関連付け
その成功とあなたの商品との関連性を明確にします。
例:「このノウハウを実践したから」「このツールを活用したから」
ステップ5:提案を完成させる
ステップ3の「なぜ質問」とステップ4の関連付けを組み合わせて、提案を完成させます。
例:「なぜ、副業から月収100万円を稼げるようになったのか?このノウハウを実践したから」

成功事例がない場合の対処法
「でも、まだ成功事例がない」という場合もあるでしょう。そんなときの対処法を3つ紹介します:
対処法1:小さな成功を見つける
大きな成功でなくても、小さな成功や改善事例を探しましょう。
「作業時間が20分短縮された」などの小さな成功でも十分です。
対処法2:テスト導入を提案する
「あなたのような○○(ターゲット像)に、1ヶ月間無料でお試しいただき、成功事例を作りたいと思います」と提案し、最初の成功事例を作りましょう。
対処法3:業界の成功事例を応用する
同業他社や類似業界の成功事例を応用しましょう。
「○○業界では、このアプローチで○○の成果が出ています」というように。
よくある質問と回答
最後に、よくある質問とその回答をご紹介します:
Q1: 高額商品でも本当にこのアプローチは有効ですか?
A1: はい、むしろ高額商品ほど効果的です。高額になればなるほど、顧客は「本当に効果があるか」「本当に価値があるか」を慎重に判断します。成功事例という具体的な証拠は、その不安を払拭する強力な説得材料になります。
Q2: 小さな成功事例しかない場合は?
A2: 小さな成功でも十分です。むしろ「普通の人でも達成できた」という親近感が生まれ、顧客は「自分にもできそう」と感じやすくなります。
Q3: 業種によっては適用できないのでは?
A3: どんな業種でも適用可能です。商品やサービスを通じて顧客が得られる「変化」や「成果」に焦点を当てれば、必ず魅力的な提案ができます。
Q4: 虚偽の成功事例を作っても良いですか?
A4: 絶対にNGです。虚偽の成功事例は短期的に効果があっても、長期的には信頼を失墜させ、ビジネスに大きなダメージを与えます。必ず事実に基づいた成功事例を使いましょう。
まとめ:リアルケースから学ぶ成功法則
今回学んだポイントをまとめましょう:
- 専門的で高額な商品でも、適切なアプローチで売れるようになる
- 成功の鍵は、商品の特徴ではなく「成功している人が使っている」という社会的証明
- 具体的な数字(「3ヶ月先まで予約が埋まる」「年商5億円」)が強いインパクトを与える
- 「なぜ質問」の形式が、顧客の好奇心を刺激する
- このアプローチはあらゆる業種に応用できる
- 小さな成功事例からでも始められる
専門商品や高額商品が売れないのは、商品に問題があるのではなく、その価値を伝える方法に問題があります。
今回お伝えした方法で、あなたの商品も必ず売れるようになります!
ではまた。
コメントを残す